3種 電験

電験3種の試験が年2回になりCBT方式採用へ[電験3~1種合格者が解説]

2021年5月28日

いちにょきです!

さて、恥ずかしながら私も最近知ったのですが、電験3種の試験制度が年2回になりCBT方式採用へ変更となるようです。

この制度変更の内容について解説するとともに、受験者の立場から見た影響について考察していこうと思います。

制度変更の詳細

背景

経産省の審議会資料によると、電気保安の外部委託業界において、第3種電気主任技術者が2030年に約2千人不足すると推計されているようです。

なんでも格取得時に外部委託業界に従事するのは、全体の2%なんだとか。

そしてその人材不足を解消するための取り組みの一環として、今回の制度変更が行われるようです。

ちなみに電気保安の外部委託とは、電気設備の保安管理業務を外部に委託し、保安上支障がないとして電気主任技術者を選任しないことができるというものです。

北海道電気保安協会さまのサイトの説明がわかりやすいです。

内容

今回の制度変更は大きく分けて三つの柱から成り立っています。

  • 入職人口の増加
  • 電気保安人材の活躍の場の創出
  • スマート技術導入による電気保安業務の高度化・効率化

このうち電験の試験制度変更は1番に該当します。

電験の受験回数を増やして電験3種合格者を増やそうということですね。

手始めに試験の回数を年1回から年2回に変更するそうです。

そして続けてCBT方式を導入するようです。

CBT方式とは

CBTとはComputer Based Testingの略です。

つまりパソコンを使って試験を行う方式です。

電験以外にも様々な資格試験で使われています。

雰囲気の一例としては「エアリアルビュー名駅テストセンター」さまの紹介サイトがわかりやすいと思います。

問題は配られずパソコンに表示されます。

解答の入力もすべてパソコンで行います。

結果もその場でわかります。

時期

経産省の審議会資料によれば、令和4(2022)年度に年二回となり、令和5(2023)年度にCBT方式を導入するようです。

https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/hoan_shohi/denryoku_anzen/hoan_seido/pdf/005_02_00.pdf

受験者への影響

制度変更後の試験の詳細についてはまだ公表されていませんが、現在判明している情報や、他の資格のCBT試験から考えられるメリットとデメリットを考察します。

年2回になることのメリット

受験回数を増やせる

科目合格の有効期間が3年のため、受験開始から最大5~6回の受験が可能になり、合格のチャンスが増えます。

CBT方式が始まることのメリット

問題がパターン化されるのでは?(管理人の予想)

これはあくまで想像の域を出ないのですが、筆記でもCBTでも、以前より問題がパターン化されるのではないかと思います。

これまで年1回だった試験を年2回にするということは、出題者側が作る問題数はこれまでの2倍になります。

さらにCBT方式となれば、一定期間内に複数人が受験するわけですから、同じ問題を出すわけにはいきません(例えば初日に受験した人が翌日受験する人に出題内容を教えられないようにするため)。

したがってここでも出題者側は作る問題数は増やさざるをえません。

つまり出題者側の業務量が増加するため、見たことのない新しい問題を作る暇がなくなるのではないかと推測しています。

CBT方式を選択することのメリット

では筆記試験とCBT試験のうち、CBTを選択した場合のメリットは何でしょうか?

都市部以外の試験会場を選択できるようになる

CBT方式では、全国のテストセンターが試験会場になります。

これまでのペーパーでの試験会場に比べて、テストセンターは地方にも存在します。

地方に住んでいる方は、これまでより会場までの移動距離が少なくて済む可能性が高いと思われます。

試験日と時間帯を選べるようになる

これまでは試験日や時間帯を受験者の都合で選択することはできませんでしたが、CBT方式では選択できるようになります。

ただし、365日受験できるわけではなく、一定期間内に限るようです。

結果がすぐにわかる

CBT方式では、選択した解答はその場で採点されるため、合否もその場でわかるようになります。

CBT方式を選択することのデメリット

では筆記試験とCBT試験のうち、CBTを選択した場合のデメリットは何でしょうか?.

問題冊子が配られない

問題はパソコンの画面上に表示されるため、問題冊子は配られません。

配られるのは白紙の計算用紙だけだと予想されます。

したがって、これまでのように問題冊子に直接書き込むことはできません。

例えば回路図を含む以下のような問題(2020年度第3種電気主任技術者試験 機械科目 A問題 問5)を解くとき、私なら問題文中の数値を図に書き込んだりします。

図を含む問題では、図に色々書き込んで問題を解いている方は多いのではないでしょうか?

この方法がCBT方式ではできなくなるため、普段から書き込めないことを想定した学習が必要になります。

ちなみに私は他の資格試験で、何度かCBT方式を受験したことがありますが、やはり問題に書き込めないことに不便さを感じた記憶があります。

問題冊子が持ち帰れない

問題冊子が配られないため、当然持ち帰ることもできません。

よって復習ができず、試験問題を通して勉強するのは難しくなるでしょう。

パソコンの操作に慣れていないと苦労する

パソコンの操作に慣れていない場合は、パソコンの操作に時間や集中力を使ってしまう可能性があります。

CBT試験が始まるまでに、おそらく運営がデモや画面の詳細などを公開すると思われますので、不安のある方は受験までに慣れておく必要があります。

筆記とCBTのどちらを選択するのがよいか?

2023年度から始まるCBT方式ですが、筆記方式とCBT方式は選択が可能なようです。

したがってどちらを選べばよいかということになりますが、筆記方式の受験日に日程の調整が可能ならば、筆記を選択することをおすすめします。

その理由は、デメリットとしてあげた部分が試験の難易度を上げてしまう恐れがあるからです。

CBTにもメリットはありますが、日程調整がしやすいなど、あくまでも二次的なものであり、試験内容に関してはデメリットの方が多いと感じています。

もう一度私が受けるとしたら筆記試験を選択します。

電験3種の試験制度変更(まとめ)

今回は電験3種の制度変更(年2回化・CBT採用)について、制度変更の概要と受験者への影響について解説しました。

  • 令和4(2022)年度に年二回となり、令和5(2023)年度にCBT方式が導入される予定
  • 年二回になることで合格のチャンスは2倍になる
  • 年二回、CBT採用となるにつれて、以前より問題がパターン化される可能性がある
  • CBT方式にはメリットもデメリットもあるが、試験の難易度で見ればデメリットの方が大きい
  • 日程的に筆記を選択可能であれば、筆記がおすすめ

今後の制度変更内容の続報を待ちましょう!

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