エネ管 共通 電験

電験・エネ管受験者のための単位の考え方&計算方法[電験3~1種・エネ管合格者が解説]

2021年3月27日

どうも、いちにょきです!

今回は単位換算の方法や考え方について解説していきます。単位換算が自由にできると解ける問題の幅が増えます。

また単位についての考え方も解説していますので、これを読めば計算ミスを減らせたり、計算がスムーズになったり、初見の問題への対応力が向上します。

数学に不慣れな方はぜひ読んでみてください!

単位とは

まず単位ってなんなの?ってところから始めたいと思います。

みんな大好きWikipediaでは、

単位(たんい、英: unit)とは、量を数値で表すための基準となる決められた一定量のことである。

と表現されています。

つまり長さという量を表す場合、1 [m]という基準となる長さをあらかじめ決めておいて、表したい長さが基準の長さの何倍か(1.5倍なら1.5 [m])という表現をすることになります。

SI基本単位と組立単位

単位には基礎となる単位というものがあり、それをSI基本単位と呼んだりしますが、名前は正直どうでもよいです笑

物理量記号
時間s
長さm
質量kg
電流A
温度K
物質量mol
光度cd

これらの基本単位を組み合わせて、さまざまな単位(組立単位というが、こちらも名前はどうでもいい)を表現することができます。

世の中の多くの単位がこの基本単位の組み合わせでできています。

例えば力の単位であるニュートン[N]は[m・kg・s-2]で表されます。

これは実は重要で、例えば問題で求めるべき答えの単位が記載されていれば、計算方法を知らなくても、その組立単位から計算式がわかるということです。

例えば「電界[V/m]を求めよ」という問題で、電界というものを知らなくても、単位から電位[V]/距離[m]で求められるとわかりますよね。

SI接頭語

いわゆるキロ、メガ、ギガなどと呼ばれるものです。これらはSI単位の10の何乗かを表すものです。よく使うものを表にまとめてみます。

接頭語数値記号
ギガ109G
メガ106M
キロ103k
センチ10-2c
ミリ10-3m
マイクロ10-6μ
ナノ10-9n
ピコ10-12p

計算における単位の扱い方

単位と数字は掛け算

計算における単位の扱いにおいて意識してほしいのは、数字と単位の間には×が隠れているということです。つまり、

10 kg = 10 × kg

と認識してください。これは考えてみれば当たり前のことで、10kgとは1kgという基準量の10倍を表しているからです。

SI接頭語は数値のように扱う

計算の中では、SI接頭語は単位というより数値のように扱うのがわかりやすくておすすめです。

つまり5kmという量の場合、5×kmではなく、5×103(=k)×mとして扱うということです。

大きな数値を扱う場合や計算が複雑な場合には、接頭語を自在に数値に変換して計算することで、スケールの違う量同士の計算もスムーズに行えるようになります。

簡単な例として、静電容量が0.1[nF]の平衡平板コンデンサに100Vの電圧を印加した場合に蓄えられるエネルギーWはいくらかという問題では、\(W = \frac{1}{2} CV^2\)を用いて、

W
= 0.5 × 0.1 × 10-6 × 1002
= 0.05 × 10-6 × 104
= 5.0 × 10-4 [J]

のように計算します。

またmをkmに換算するというような単位換算では、単位にkをかけて数値にその逆数の10-3をかける(全体で見れば1をかけるのと同義)というやり方でどんな単位も変換できます。

100 [m]
= 100 × 10-3 [km]
= 0.1 [km]

面積と体積

面積や体積の計算では注意するポイントがあります。

例えば1cm3という体積をm3に単位変換する場合を考えてみましょう。

先ほどのように数値として接頭語を扱うことを考えると、

1cm3 = 10-2 × m3

としたくなるかもしれませんが、実はこれは間違いです。

正しくは

1cm3 = 1(cm)3 = 10-6 × m3

です。

これは考えれば当たり前で、1cm3というのは「縦横高さ1cmの立方体の体積」を表しているからです。

面積や体積のように2乗や3乗の単位には注意してください。

エネルギーと出力とワットアワーの関係

よく使う組立単位にエネルギー[J]と出力[W]とワットアワー[Wh]があります。これらの関係について説明しておきます。

まずエネルギーはジュール[J]で表される量です。そして出力(もっと広い意味でとらえると仕事率)は1秒当たりのエネルギーのことであり、単位は[W]です。

1秒当たりのエネルギーなので当然、

[W] = [J/s]

と表されます。

そしてワットアワーとは1Wで1時間出力をし続けた場合のトータルのエネルギーのことを指します。

つまり出力×時間で、次元としてはエネルギーなので[J]と同じです。

ではこのWhをJに変換してみましょう。

Wh = W × h = J/s × 3600s = 3600J

つまり1Whは3600Jであることがわかりますね。

よく使う単位換算

よく使う単位換算についてまとめておきます。

  • 1h = 60min = 3600s
  • Wh = J/s × 3600s = 3600J
  • % = 10-2

電験・エネ管受験者のための単位の考え方&計算方法(まとめ)

今回は単位換算の方法や考え方について解説しました。ポイントをまとめます。

  • 組立単位は計算方法のヒントになる
  • 単位と数字は掛け算の関係にある
  • SI接頭語は数値に変換して扱えるように
  • m→kmのような単位換算は追加した接頭語の逆数を数値にかける
  • 面積や体積の単位換算では接頭語にも累乗がかかる
  • エネルギーと出力とワットアワーの関係を理解する

今回のポイントを意識しながら問題を解くことで、計算ミスが減らせたり、計算時間の短縮につながると思いますので、ぜひ意識してみてください(^^)/

-エネ管, 共通, 電験
-, ,